最高の横綱
スマホにニュース速報がいつも入ってくる。
なにがどうした。
あれがなにした。
それなりに関心をもって、ふうん。とみてるのですが。
今回、九重親方死亡と見えた瞬間、目を疑った。
ニュースを疑った。
なんじゃそら。
まだ若いでしょ?そんな年齢ではなかったよね?
帰宅する途中、運転しながら目に飛び込んできたんだ。そのニュース。
すぐに家に着き、テレビを点けると。
どうやら本当らしい。
なんてこった。
なんでよ。どうして?ガン。すい臓がんとのことだった。
若いから進行が早かったのか・・・。
私は、力士に負けるとも劣らない体を持っている。
小さいころ、からかわれたりもした。
そんなからかわれる要因の体をさらけ出し、本気でぶつかり合う相撲にはちょっと興味があった。
恥ずかしくないのかな・・・。言葉には出したことはなかったが、そんなことも思っていたりした。
それと、祖父母が大の相撲ファン。
とくに祖母は、千代の富士の大ファン。
ほかの力士と違い、ムキムキで、そのせいか小さい…中くらい。
小さいとは思わなかった。よく、ちいさな体でとかテレビで言ってたけど、いやいや、でかいと思うなと、よく思ってた。
祖父が、相撲は寄り切りで勝つのが一番強くてかっこいいんだ。といっていた。
なんでだろと、思っていたけど、寄り切るってことは、寄っていくという事。すり足で、腰を落とし確実により進まなければならない。
相撲の基本、四股、すり足が出来ていなければ成せない。
祖母はそんなうんちくはどうでもいいみたいで、とにかく千代、千代!(笑)
千代の富士を千代と呼び、勝てば叫び、負ければ絶叫するという、熱い祖母だった(笑)
負けたときたるや、断末魔の叫びに近いものがあり、当時、よく笑わせてもらった。
幼い私の目にも千代の富士はかっこよく映り、凄い人間がいるもんだと思っていた。
痩せてる・・・わけではなく。太っているという表現も違う。
私にとって、あの姿こそが横綱。
あの立ち合いのときの鋭い眼。
その瞬間、一瞬にしてぶち当たる、あの迫力。
小難しい表現なんて必要ないんだよな。
強くて、かっこいいんだ。
私にとっての最強で最高の横綱が人生の幕を下ろした。
残念だな。
たまに相撲中継のときとか、チラっと映っただけで、おお!いる!となっていたのがもうないわけで。
千代の富士の相撲で、相撲を見るようになって。
もしかしたらその後私がレスリングを始めたのも、ああいう鋭い当たりをしてみたかったからなのかな。
違うか。
どうか、安らかに眠ってほしい。がんっていうのは辛いと聞く。
もう、そんなことはないので、どうか、安らかに。
みんなそう思ってるはず。
本当に、お疲れ様でした。
そして、すばらしい相撲をみせてくれて、ありがとうございました。