Wanpaku Magma's Blog

愛車と写真。たまに仕事の事を綴ります。

東北ツーリング1日目 海鮮丼と被災地

8月14日。5:00に出発。

 
快調にCB400SFを走らせる。
 
こいつ、速いなあ。とか、ニューメットのベンチレーション効果に驚きつつ走らせて、柏インターから常磐道へ。
 
待ってました(笑)
合流時の全開タイム!!
 
可変バルブVテック←カタカナで表記すると変(笑)
 
ついに伝家の宝刀を抜く時がきた!
 
待ってました!!この瞬間!!いくぜCB!!
 
ひゃーーーーーーーーーーー!!すげえいい音!!!
 
2速11000回転。から3速!!
 
7000だかそのあたりで、エキゾーストノートが変わった!まさに咆哮!!
なんていい音なんだ!!
 
ホンダのバイクはいいってみんな言う。
 
この瞬間、私は痺れた。本当に痺れた。
理屈抜きで気持ちよく、その加速、音に陶酔した。感動さえ憶えた。
 
その陶酔もつかの間、高速道路運転モードへ感覚が変わっていった。
 
受けている風。周りのクルマの挙動。
 
いろいろと私の中のセンサーが働き始めた。
 
ネイキッドなCB。カウルなんてついてない。
なのに1?0キロのわりに、風が強く感じない。
いままでの装備と変わっているのは、パンツとメット。
メットはアライだから、やっぱり違うんだろうなと思うんだけど・・・。
なんだろ。パンツもいままで適当なジーパンだったのですが、今回はちゃんとしたライディングパンツ。当然のことながらバタバタ風にあおられることもないのですが。これが影響しているのか、いろいろと安定してる、このスピードなのに。
 
これはいい!
集中していくぞ!
 
常磐道、たいして混んでもなく。
東北道は真っ赤っかだった。常磐道は不人気なのか(笑)
 
常磐道、水戸より先は行ったことがない。
ワクワクしながら進んでいく。
途中で右手に海が見えてきた。
 
目指すはいわき。朝飯だ。8:00ぐらいに到着するはず。
いわき勿来で降りて、市場食堂を目指す。
 
8:00少し過ぎたぐらいに到着。
店の前のクルマは少なく、がらがらだろうなあと思いながら店内へ入ると・・・・
 
ほぼ満席(笑)
えぇぇ!こんな朝早くから!?
すげー驚きました。
 
お刺身は時間がかかるのでと言われるが、構わない。最悪夜までに塩釜に着けばいいんだから(笑)
 
イメージ 1
ここ市場食堂から見た景色。
 
ここも津波が襲ってきたのだろうか・・・
そんなことを考えながら海鮮丼を待つ。
そして、この先はした道国道6号で向かおうと思っている。
6号は常磐道とほぼ平行に続く道路。比較的海沿いだ。
このさき、いったいどうなっているのか・・・そんなことを考えていた。
 
大変お待たせしました!!
おねえちゃんが持て来てくれたそれは・・・・
 
イメージ 2
海鮮丼!!
うっひょぉぉぉ!!!
 
ん?海鮮丼なのに・・これどんぶりは?定食??あれ???
ここまで来たら、定食だろうが丼ものだろうが、もはやどうでもいいのだが、ごはんが無い事には・・・
 
ピチピチな海鮮の隙間に目をやると、ありました、ごはん(笑)
これ、どんぶりだったのね。
皿かと思ってた(笑)
さて、この丼はどのように食べれば・・・・
贅沢な悩み(笑)
上から順に食べてみる。
おいしい。これもおいしい。こっちもおいしい。そのとなりも・・・
簡単に言うと全部おいしい。
猛然と食べつくし・・・・
ふう・・・・
 
会計を済ませ、さっさとCBちゃんのもとへ。
 
おまたせーwww
なんて声を掛けてみたり(笑)
 
タバコに火をつけ、港を眺める。
そこの更地は、もしかして。
 
この先、見ることになるであろう過酷な現実を想像して、何とも言えない気持ちに。
 
さあ、出発だ!
 
とりあえず、右手に海が見える状態で進んでいけば、おのずと北上していることとなり、塩釜へ近づくことになる。
そんな感覚で海沿いを走る。
ずーっと防波堤の工事が行われている。
走っている道の左右が更地なんていう個所が何か所もあり。
心が重くなる。いまはこんな風に走れているこの道も。その時は。
 
再び6号に出て、途中のコンビニにツーリング集団がいた。
車種はバラバラ。
非常にうるさいバイクたち。旧車会ではなさそう。
左手に彼らを見ながら通り過ぎる。
気になる標識が。一瞬でよく見えなかったのだが、この先数十キロ先、二輪車通不可とか書いてあったような・・・・。
 
まだだいぶ先だから特に気にも留めず走る。
そしてコンビニで休憩タイム。
水分、ニコチンを補給する。
さすがにあっつい。
そんな事していると、うちの会社のホイールを履いてくれているフーガのおじさんが話しかけてきた。
 
おじさん:こんにちは。どこまでいくんだい?
わたし:こんにちは!塩釜です。
おじさん:塩釜か。この道で行こうとしてるの?
わたし:そうですね。時間あるんでふらふらしてますけど、基本的には6号でいこうかなと。
おじさん:このさきバイクは通れないよ。途中から常磐に乗らないと・・・。
わたし:!!!やっぱりそうなんですか?さっき、そんなようなこと書いてある看板があって・・・
おじさん:放射線量が高いからね、バイクはダメなんだ。
わたし:そ・・・そうなんですか。
おじさん:時間があるなら、その場所まで行ってみるのもいいんじゃないかな?止められるだろうけど、別に怒られたりしないし。話のネタにでもいってみるといい。そしたら少し引き返して高速のればいいんだから。
 
そうだ。津波だけじゃないんだ。原発の問題だってあるんだ・・・・。
 
若干の緊張を覚えつつ、その『地点』まで進んでみることに。
 
だんだん、涼しくなってきて、すこし肌寒くも感じながら進んだ。夏なのにね。
 
そうしたら、さっき見た、やかましいバイク集団が左に寄って止まっている。
その前には警察官が数名。
 
本当に止められてる。この先は、生身で行ってはいけないんだ・・・・。
こんな場面、関東では遭遇しない。
 
今回のツーリングで、被災地ということをリアルに実感した瞬間だった。
道は続いているのに、車は通行できるのに、生身では行ってはいけない場所。
危険な地帯だということ。
 
私はそのまUターンして引き返した。
警官からはご協力ありがとうございます言われた。
いやいや、こちらがありがとうだよ。知らン顔して通しちゃえば、あなたたちはこんなくそ暑いなかそこにいなくていいんだからさ。
 
ちょっと、なんかいろいろショックというか、なんというか。
取り敢えずCBを止めて、慌ててはいないんだけど、落ち着こうと思った。
驚いてしまったんだろうな。ああいう現場を見て。
 
そしたら、地域の防災無線放送が流れた。
16:30以降は退去してください。という内容だった。
そういう場所に、私はいるんだ。
気付くと、そのあたり一帯、店はおろか、人が住んでいる気配がない。
さっきのおじさんと話したコンビニあたりまでが、住める地域だったのか?
 
そんなこともあり、来た道を戻り高速へ。常盤富岡から常磐道。そのとき、燃料計が1つだけ。あ。入ってないと思ったら・・・点滅してる!?
 
うぉぉぉぉ、やべぇぇぇぇぇ。
 
さらに、放射線量のメーターがある。
 
まるで気温のように表示されている。
どのくらいの数値があぶないのか、わからないが進むにつれて、最初見た数値の10倍以上の数値に・・・・
 
だからこの区間はさっきの6号、バイクじゃだめだったんだな。
なんて納得してたが、え?ここは、大丈夫なのか?と。
まあ、大丈夫だろ。と、特に深くは考えず・・・
そんなことより、ガソリンだ。燃料。
 
浪江町というところで降りる。
あのころ、よく聞いた地名だ。
 
降りてまずエンジンを切り、リザーブコックを・・・。
ない。ないの!?探すも見当たらず・・・。
インジェクション車ってそういうのついてないの??
ますます不安は大きく。
 
スマホをたよりにGSに向かうも休業。
次も休業。
 
そもそも、人が住んでいない・・・。
GSはおろか、コンビニさえも・・・・。草が生えていて、人が生活をしている景色ではなかった。
標識に町役場の文字があり、向かうも。人がいる気配は感じられず。そもそも日曜だし。そうしたら、警察署が視界にはいった。
ここしかねえ!
敷地内にはいると、そうとう来客が珍しかったのか、数名がこちらを凝視。
歩み寄ると、どうされましたか?と。
 
わたし:ツーリングで宮城に向かっているものです。このあたりで、営業しているGSはございませんか?教えていただけるとたすかるのですが・・・
警官A:ああ、そういうことでしたか。少しお待ちください。
外で待とうとすると・・・
警官A:いやいや、中へどうぞ!暑いでしょう!
やさしい!
警官A警官B警官Cと数名が私のためにあそこはどうだ、ここはどうだと話してくれている。これから食おうとしていたであろう、コンビニ弁当が机の上にあった。昼時に申し訳ない・・。
ご親切に地図を書いていただき、説明を受けて進んでいく。
距離にして、5か6キロとのこと。
もつのか・・・ガソリン。
 
CBからは、まじで腹減ったんだけど・・・もう走れねーよ。という声が聞こえてきそう。
おめーだけ海鮮丼なんて食いやがってよーとも、聞こえるような・・・、
まあ、機械相手に反省しました。機嫌悪いような気がして・・・(笑)
 
日曜なので、余計に開いていないのだというGS。
人も住めない場所だから・・・と。
警官の言葉がリアルだった。
 
しかし、いまはそんな感傷に浸っている余裕はなく、GSGS!!
 
わずかな距離が数十キロにも感じ、わずかな時間が何時間にも感じられた。
スピードも40キロ。ハザード出して左側に目いっぱい寄せて走行。
追い抜いていくクルマは、いったいどうした?といった視線を浴びせてくる。
ひたすら燃費走行に徹する。
 
そういえば、昨日CB借りてきて、乗り回した後、フチぎりぎりまで目いっぱい入れたっけなあ・・・なんて思い出しながら走る。フチまで入れてなかったらもう止まってたのかなぁ・・・。
 
目印の建物(の廃墟)が!目標発見!!
 
そこを左折すれば・・・・
 
あった!
何とか燃料切れすることなく補給することができる。
GSのおっさんも、随分はいるなあ。。。という顔していたので、これまでの経緯をお話しする。
おっさんも私の苦労を労ってくれた!
気をつけてな!と気持ちよく見送られ出発。
久々に回転を上げたエンジンの音はそれはいい音!
 
一路、宮城をめざす。
 
坂を下ると、途中から、
これより過去の津波浸水地区
なる標識が。
その刹那、視界に飛び込んできたのは、一面の更地。自分が走っている6号を中心に、低い部分が。更地だった。
 
言葉がでなかった。かつてあったであろう景色姿は私にはわからない。
けど、きっと何かしらの建造物、住宅があったであろうその場所。いまは更地。なんの表情ももたない、ただただ一色の更地。
ここでいったい何人の人がひどい目にあったのか。どれだけの人たちが絶望したのか。
こんなことが、たとえ自然災害とはいえ、起こってしまうものなのか。
 
それなのに、いまこうして、普通に通行できている私たち。
 
このあと、6号にはこういった個所が何か所もあったが、普通に通り抜けた。
なんだろう。楽しくなかったな。この区間は。ガラス越しにみてるわけではないからかな。全身で空気を感じたからだろうか。被災という現実を思い知らされた。
 
そんななか、コンビニで飯を食うことにした。
暑いので、さっさと・・・と思っていたらさっきのうるさいバイクの集団が入ってきた。
あー、さっきの。となんだか戦友にでも再会したかのような気分になる。
トイレを済ませ、手を洗おうとすると、石鹸で念入りに手を洗っているあんちゃんが。
 
あんちゃん:あ、すんません!えーっと・・・・
わたし:あ、いや、そんな慌てなくても・・・
あんちゃん:あの、ここから・・・・
といって、狭い洗面所ではじっこによってスペースを開けてくれた(笑)
さっとゆすぎ、お礼を言ってトイレをあとにする。
適当に買い物をして、バイクのとこで食い始めた。
どうやら、あの集団の1台がトラブルを起こしてしまったらしく、各々工具を持ち出し、修理をしている様子。
大変そうだなあ・・・
 
???:どこまでいくんですか??
振り向くとさっきのあんちゃんがそこにいた。
わたし:宮城の塩釜までだよ
あんちゃん:じゃあ、方向がいっしょっすね!自分らは仙台いくんすよ!
 
さっきから何回か遭遇していたことや、途中の通行不可区間のこと、そして燃料の話とお互い話題が尽きなかった。
同じような苦労をあちらさんも味わいながらここまで来たようだった。
 
また会えたら、この先も気を付けてとお互いが言葉を交わし別れた。
 
さあ、塩釜までもう少し。
その前に、当社仙台営業所を見学だ!
 
そのあとは無難に進んでいき、仙台営業所もみて、グランパレス塩釜。今日の宿泊場所へ到着。
 
さあ、このあとが今回の旅の目的。
 
港町の鉄板焼 本塩釜店へ。
 
と、その前に・・・。
ホテル到着後、この日お世話になった警察署の方々へ、改めてお礼の電話をいれる。
どなたが電話に出られたのか解りませんでしたが、バイクでGSの場所を教えて頂いた者です、と伝えるとすぐに解って頂く事ができた。
この先も気を付けて、楽しんでくださいね!と仰っていただく。
無事に給油ができた事と、お礼を伝える事ができて良かった。
改めて、ありがとう!双葉警察署浪江分庁舎の皆様!!