突然のお別れ。
その日は突然訪れました。
FJクルーザーが燃えてしまい、廃車になりました。
原因は、ルーフに設置したLED作業灯の漏電によるもの。
不可解な点はあるが、バッテリーからリレー及びヒューズボックスに向かっている大元の太いプラスの電源線。これが、ブレーキラインのパイプに擦れて被服が破れ、銅線がパイプに接触してリークし、火災が発生したというもの。と、消防では結論づけられた。
この作業灯の取り付けにはいろいろと複雑な事情があり、作業は難航した。
部品調達から点灯に至るまで、半年以上の時間が掛っている。この辺り、いろいろな人間関係が絡んできて、一番信頼のおける人間から裏切られた。という経緯がある。裏切った本人には全くそんな意識は無いのか、ただひたすらにとぼけているのか、10年を超える付き合いにも関わらず、そういった部分は見抜けなかった。
愛車が燃えていく様や、鎮火後の愛車の姿、友人を見抜く事ができなかった自責の念、友人の裏切りと態度、保険金が下りるかどうかの心配。
1ヶ月以上、気持ちは沈んだままであった。
- 火災前日と当日の行動
- 火災
- 消防と警察からの聴取
- 翌日の現場検証
1.火災前日と当日の行動
前日は、ドラレコの取付を行い、衝撃センサーのチェックの為に某所でオフロード走行。この時作業灯を点灯させて走行。枯草まみれになった。
そして当日。友人と水上バイク(ジェット)を見て回った。
県内を数件まわったのち、道の駅に愛車を置き、1台で乗合で移動した。
その後、道の駅に戻り、食事に行くため各々のクルマで出発。
店到着後、火災のお知らせ。
今思うと道の駅で火災が発生しなくてよかったという事と、1台で移動したのが私のクルマではなくて、よかったという事。
お陰様で今回の火災では、被害は私のクルマだけで済んだ。
2.火災
飲食店のお客さんにオレンジのクルマに乗ってきましたよね?と。様子がおかしいなと思ってたら、クルマ燃えてるよ!!と。何が何だかわからず、とりあえず見に行こうとしたら、消火器持って行った方がいいよ!!と。
持って行ったら、本当に燃えていた。
見る見るうちに燃えていき、消火器かけても無駄だった。炎の勢いは弱まることなくどんどん大きくなり、出荷元がボンネットの中だと見た私は運転席に回りボンネットを開けようとしましたが、誰かからか危ないからやめろ!と、忠告を受けレバーでボンネットのロックは解除したものの、止めました。
ものすごい煙の中呆然と立ち尽くして燃えていく様をみていました。
こういう時、消防車ってなかなかこないんだな。とか思ってました。
消火器も無くなって、消防車も来なくて、もうだめだ。って覚悟しました。
その時、そのもうだめだ。っていう気持ちが言葉に出てたようで、同じようにそばにいてくれた友人が、あのとき言ってたんだよ。と、言われました。
口に出したつもりのない言葉を口にしていたということに、少し驚きました。
いよいよ炎が大きくなり、離れないと危ない状況になり、離れて、クルマの後ろから燃えていく様子を見ていたら、テールランプに光が灯りました。
あ、光ってる。よく事故車で、いきなりホーンが鳴ったりする事例がありますが、それは事故の影響で配線が痛み、ホーンが通電してなってしまったりする事象ですが、それと同じなんだろうなと、心の片方で思いつつ、最後のお別れを伝えてきているような気もして、なんとも言えない気持ちになりました。この場面は辛かったです。
そして、徐々にその光は弱まっていき、やがて消灯。その刹那、ボンネットの中から爆発音がしました。
今ので、本当に最後だな。と、その時強く感じました。もう、二度と動かないと。
その後、消防が来てあっという間に鎮火。
現場は騒然とし、情報が錯綜している様子がよく見えました。
消防、警察の方々からは同じことを幾度となく聞かれ、持ち主はどこかと、スピーカーで何度も呼ばれ、混乱の様相。なんというか、もう少し効率よくできてもおかしくないのにと。
20:30ごろから燃え出し、消防による鎮火、聞き取りが終わったのが23:00頃。
そこから友人に自宅まで送ってもらう。
翌日も同じ場所で現場検証との事で、再び朝一で現場へ行くこととなる。
3.消防と警察からの聴取
翌朝、現場へ赴く。
現場には朝日に照らされた、変わり果てた愛車が佇んでいた。
昨日まで、元気に走り回っていたクルマが、いまは見る影もない。
菓子折りを持って、駐車場内の2店舗に謝罪に伺う。両店とも私の身体を気遣ってくれた。こちらは迷惑をかけてしまった加害者であるにもかかわらず、一言の嫌味もなく、ただただ心配をしてくださった。本心かどうかはわからないけど、救われた。
その後、警察による写真撮影。これ、わたしのです。と、指さして撮影。
その後消防による出火原因の調査。
結果として、プラス配線からの漏電。
プラス配線・・・。ブラブラするような配線ではない。手で曲げるのも一苦労な太さの配線。なんで、それがブレーキラインに当たったのか。配線は固いながらも固定はしてた。外れても、そこから垂れ下がるような硬さの配線ではない。ただ、ボンネットの裏側を見る限り、そこが一番高熱となっていて、そこが出火元だとのこと。高熱になったから出火元??でも、ブレーキラインとプラスの配線は、溶着していて、漏電したのは間違いない。たとえ配線の固定が外れても、垂れ下がらない配線ということは熱にさらされて被膜が解けても中の銅線は垂れ下がらない。
いったいどういう原因でああなったのか。
消防の方々はクルマに関して詳しくはなく、配線の説明に関しては同じことを数十回聞かれて、当たり前だが全てに答えた。が。素人が配線したものが漏電したという事例なんて、きっとたくさんあることだろうし、今回の件もきっとそうだろうと、先入観があるのは感じ取ることができたが、再度それを覆すような説明を行う気にはならなかった。どう回答した所で結果は変わらず、覆すための証明もこの状態ではまず無理と思った。であれば、さっさと終わらせた方がいいと思った。
今思えば、冷静に受け答えができていたつもりで、周りからもそう見えていたと思うが、実際は動揺しており、精神的に普通ではなかったと思う。
その後保険の手続きや、保険会社からの委託会社の人間と面談。
消防署から数回にわたる着信。
引き上げたレッカー屋さんからの着信。
当面の足の確保・・・・
1.5ヶ月ほど時間が掛り、車両保険の振り込みがあり、今回の件は解決となった。